病院のなかに患者会をつくるためのノウハウを示したマニュアルができた。患者会はこれまで病気の治療後に社会復帰した人たちが中心になって立ち上げられることが多かった。一方、入院中の患者は病院外で行われている患者会に参加することは難しい。「もっと病院内で患者会が増えてほしい」との思いが背景にある。
「院内患者(家族)会設立マニュアル」=写真=をつくったのは、東京大学医学部附属病院など全国9ヵ所の病院の患者会で構成する「院内患者会世話人連絡協議会」(会長=田中祐次・東京大学医科学研究所客員教員)。白血病や悪性リンパ腫などの患者が中心だ。
入院中の患者は治療や生活上の不安が大きいが、患者会に参加する機会が少ないため、患者同士で情報交換したり、互いの思いを打ち明け合ったりする場がなかなかない。孤独感にさいなやまされ、精神的に苦しむ人も少なくない。
ただ、病院内に患者会を立ち上げようとしても、何から始めていいのかも分からないのが実情だ。「病院との関係に悪影響が出るのではないかと」と遠慮してしまう場合もある。
マニュアルには、こうした自身の体験も踏まえ病院側の理解も得ながら円滑に患者会を立ち上げるポイントや、患者同士が交流する「おしゃべり会」などの進め方のポイントなどが載っている。
病院側に対する説明資料を用意する▽医療者の応援者をつくる▽長続きさせるため幹事は一定期間で交代する―など具体的な助言が並ぶ。
病院あての設立願の文書例、院内に掲示するポスターの例、個人情報保護方針の例、おしゃべり会のルールブックの例などすぐに使える資料もつけた。
マニュアルは協議会のウエブサイト(http://www.medicina-nova.com/)からダウンロードできる。問い合わせは、電子メール(soudan@medicina-nova.com)へ。